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「BINGO! AID」オムニバスアルバム/ 能登半島地震チャリティアルバム

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『BINGO! AID』に寄せて 
マーク・ルウィンーソ(成瀬英樹 研究家)

90年代。FOUR TRIPSでは「やんちゃなフロントマン」であった成瀬英樹が、まさか作曲家になってヒットチャートにもランクインするようになるとは、あの当時、私はおろか、誰にも予測など出来なかっただろう。

私はマーク・ルウィンーソ。FOUR TRIPSのメジャーデビュー以前からずっと、成瀬の仕事を見続けて来た。彼について文章を書くのは久しぶり、今世紀に入ってはじめてである。ずいぶん長い時が流れたものだ。成瀬にも、私にも、そして、これを読んでくれているあなたにも、だ。

このアルバム『BINGO! AID』とは、成瀬が主宰する作曲家マネージメントオフィス『BINGO!』作曲家の未発表楽曲集であり、成瀬の作曲オンラインサロン『うたを作る学校』のメンバーたちとの楽曲集でもある。それらを一つのアルバムとしてまとめて、チャリティアルバムとしてダウンロード販売し、収益はすべて日本赤十字「令和6年能登半島地震災害義援金」に寄付をする。

もちろん、成瀬自身が参加した作品も多数収録されている。



▪️作曲家集団『BINGO』とは
https://bingomusic.jp/

「元々、僕は作曲家になりたかったんだ」と成瀬は言う。「バンドの中でのソングライター、って位置に憧れていたね」「だけど当時、僕のまわりには歌ってくれる人がいなかったから、自分で歌うことにした、ってのが本当のところだ。運よく自分の歌でバンドとしてCDデビューまですることが出来たけど、僕自身は自分のことをシンガーとは思っていない。僕にとって歌うことは、ソングライターとしての仕事の残業みたいなものなんだよね」

「だから、いろんな紆余曲折があったにせよ、こうして今、作曲家を名乗ることができて、自分が作った作品を好んで聴いてくれている人たちがたくさんいることに心から感謝しているんだ。なんて自分は運が良かったんだろうって。それらはすべて『秋元康さんプロデュース』アイドルの楽曲コンペのおかげなんだ」

「作曲家オフィス『BINGO!』を作ったのは、才能があるのに評価されていない作曲家にチャンスを共有したかったから。僕を救ってくれた『楽曲コンペという仕組み』は年齢や経歴など一切問われず、作品が良ければ採用されリリースされるからね」

そして実際に『BINGO!』からは40代のギタリスト「nelo」が作曲家デビューを果たしている。成瀬は言う。「neloは元々友人で、僕のバックでもギターを弾いてもらっていたんだ。
https://youtu.be/tB4x7S7Md1Q?si=7yR_BCHb5n8KF5la
素晴らしいギタリストだよ。でも彼が作曲をしているなんて僕は知らなかったから、neloから『コンペに興味がある』ってデモを聴かされた時は驚いたね。誰の真似でもない『neloの音楽』がそこにあったからね。コンペに出し始めてすぐにリリースが決まったのは本当に嬉しかった。これがどのくらいのレベルの快挙かは、当事者ではないとなかなか理解してもらえないだろうけど、neloがやったことは本当にすごいことなんだよ」

「僕も含め作曲家たちは毎回、渾身の力で作品を作る。しかしながら仕方のないことなんだけど、ほとんどの作品は不採用で作家の元に返却される。それらをそのまま埋もれさせてしまうのはあまりにも惜しい。なぜなら、すべての作品は人に聴いてもらうために作られているからね。だから僕は『BINGO!』の作家たちの返却曲ながら素敵な曲たちを、みんなに聴いてもらいたいって思ったんだ。「作家デモ」がどのように作られているかを知ってもらうのにもいいし、これらの楽曲をカバーしてくれる人が現れたりしてもいいな。何にしても、聴いてもらわなければ何も始まらないんだからね」


▪️オンラインコミュニティ『うたを作る学校』
https://soulmix.jp/hidekinaruse/article.php

「コロナ禍がすべてを変えてしまったんだ」と成瀬は言う。「これからは、普通に歌ったり演奏したりして、その活動だけで暮らしてゆくことはより一層難しい時代になるだろうと思った。だから僕は『作品』を販売するだけではなくて、『作品を作る過程』をエンタメにすることにした。それが『うたを作る学校』だ。僕のファンの中には『自分自身で曲を作ってみたい』という方も一定数おられた。それなら、僕と一緒に曲を書いて、みんなに聴いてもらえばいいと思ったんだ」

アーティストが自らのコミュニティでファンと共に楽曲を作るなんて話、寡聞にして私は前例を知らない。成瀬は言う。「そう、最初は軽い実験のつもりだったんだ。そして心やさしいファンのみんなはその実験につきあってくれた。だけれどね、僕は少なからず驚かされてしまった、ファンのみんなのソングライティング力にね。すべての方がPOPSというフォーマットを芯から理解していた。『好きこそ物の上手なれ』ってほんとだね。ファンのみんなとたくさんの良質な楽曲を生み出すことが出来たし、僕自身のクリエイティブもまた成長できた。今では実際の楽曲提供において作詞家としてお願いするメンバーもいるんだよ。もうプロとアマチュアの垣根などないって思うね」

コロナ禍の中で一つの、成瀬にとっては嬉しい事件が起きた。乃木坂46への楽曲提供がそれである。成瀬が作曲した『全部 夢のまま』は2021年、乃木坂46の楽曲としてリリースされ好評を博した。「驚いたよ」と成瀬。「あの曲は2015年の春に書き提出した曲だ。つまり書いてからリリースまで6年かかっているわけ。6年前の自分の『努力』にこの時僕は救われたんだよね」

「幸い、もともと僕には印税による収入が多少なりともあった。もちろんそれだけでは食っていくことは出来ない額だけど、それでも生きていく上での下支えとなってくれた。その上でのこの『全部 夢のまま』のヒットだ。コロナ禍で『ライブという現場仕事』が出来なくなった時期に、あらためて「印税」のありがたさを再認識したんだ」

『全部 夢のまま』のブレークを機に、成瀬は自身の小さな会社を立ち上げることを決意する。「『BINGO!』を立ち上げ、併せてオンラインコミュニティ内で作曲家の育成を始めることを決意した。『全部 夢のまま』の印税で会社を作ることが、僕を育ててくれた日本のPOPSへの恩返しになると思ったからだ」「ファンのみんなと毎日配信で作曲をやっていく中で僕はあることに気がついたんだ。それは、音楽経験がほとんどない方でも、少し手ほどきをしてあげたら作曲が出来るのだから、かつてプロを目指していた人たちやただチャンスに恵まれなかった音楽家の人たちの中に、まだ見ぬ才能がいるんじゃないかって。そんな人たちを応援したくなったんだ」

「君もよく知っているように、僕は30代後半まで、まったくチャンスに恵まれない音楽家だったよね。ジャニーズやAVEXのコンペではまったく結果が出せなかった。2007年にAKB48のコンペに参加していなかったらと思うと、心底おそろしい気持ちになる。あの頃は将来への不安で眠れない日々をずっと過ごしていた。そして、あの頃の僕のような人がどこかにいるんじゃないかって、その人の力になりたいって思ったんだ。それは僕にとって、タイムマシンに乗って『あの頃の僕にアドバイスすること』なんだって気がついたんだよ」

現役作曲家である成瀬がプロの養成をする。これまた非常にユニークな考え方だ。「『BINGO!』に送られてくるデモの多くは『あと少しがんばればコンペに出せるレベルなのに』というものばかりなんだ。その『あと少し』は、ほとんどの場合『コンペに受かるデモを作るための情報』が足りていないんだね。どのくらいのクオリティのデモを作っているのか、歌詞はどのくらいしっかり書けばいいのか、とかね。せっかくいい感じの曲なのに、イントロがめっぽう長いとか、歌詞がやたら暗いとか(笑)そもそも歌詞がついていないデモも送られてくる。だから僕は作家たちの『あと少し』を伸ばせる方法を考えたんだ。それは『情報』を理解してもらうことだ。POPSにも『型』があるんだよ。言ってみれば『五・七・五』のようなもの。それなら僕にも教えられることがたくさんあるってね」


▪️『BINGO! AID』

つまりこの『BINGO! AID』は、「プロの作曲家が渾身で作った作家デモ」と「成瀬がファンと作った楽曲」、そして「プロを目指すゼミ生たち」の作品がまとめて収録されている。しかしながら、おそらく一聴しただけでは、どれがどちらのタイプの作品かを判断するのは難しいだろう。それほどすべての楽曲のクオリティは高い。

成瀬は言う「ソングライターにとっての報酬とはその作品自体なんだ。ヒットするしないはもちろん重要だしPOPSは売れてナンボの世界だ。しかしながら、時代におもねる必要などない。あなた自身が聴きたい曲を自分で作ることが出来る、その力を手に入れられたら、聴きたい音楽を自分で作り出すことが出来るんだ。最高だと思わないか?」

「僕はこれからも、仲間たちと歌を書き続ける。素敵な歌を発表して、聴いて喜んでもらえたら本当に嬉しい。でもね、知っておいてほしいのは、歌は誰にだって作れるということなんだ。もっと気軽に作詞作曲が出来る世界を作りたいって僕は思ってる」

チャリティについても聞いてみた。成瀬は『うたを作る学校』の前身『Song Garden』時代にもファンと作った楽曲を収めた二枚のチャリティアルバムをリリースしている。「チャリティなんて、やったほうがいいに決まってる」と成瀬は言う。「僕はそういうの、すごく信じてる部分があるんだ、意外かもしれないけどね。社会貢献? そんな大げさなものじゃないよ。簡単さ、ファンのみんなと作った曲や、一所懸命作ったけど採用にならなかった曲も、世の名曲たちになんら引けを取らない大切な宝なんだ。そしてそれを聴いてくれた人が喜んでくれたら最高。そしてチャリティとしてほんの少しでも社会の役に立てるなら、こんなに素敵なことはないだろう?」

「僕は時代が進んだから、令和だからって、作品を作る信念みたいなものは変える必要はないって思ってる。だってさ、僕は昭和の頃からずっと曲を作ってるけど、いつだって『お前の曲は時代とずれている』って言われ続けてきた人生さ。今に始まったことじゃない。逆に最近は、時代なんて一切気にしないからこそ、いつまでも色褪せないメロディが書けるんじゃないかってね、思ってるんだよね」

「AIがいくら進化したって、僕たちの『うたを作る喜び』は奪うことが出来ないのさ。自分で作った実感こそが、僕が一番大切にしたいことだ。作りたい歌を作ることができて、僕はとても幸せだよ」



▪️「BINGO! AID」収録曲について

01 エイティーンガール
02 ハートビート
nelo

『BINGO!』筆頭作家「nelo」による珠玉のPOPS二連発でアルバムが始まる。コロナ禍以降に本格的に作曲を始めたのにも関わらず、22年「NMB48/スワンボート」、23年「ブルーベリーソーダ/Endless Midnight」と連続で「作詞 秋元康・作曲 nelo」として楽曲をリリースしたneloは、元々は「オレンジズ」などのパワーポップやサブカルチャーの世界で活躍するギタリストだ。60年代〜80年代のPOPSが完全に身体に入っている作風で、ちょいといなせな歌謡曲を書かせたら日本有数である。「neloには敵わないっていつも思ってるよ。ここ数年のうちに彼の時代が来たとしても僕は驚かない」とは成瀬の弁だ。


03 愛・Don't Know Why
岸田小石

世界にも類を見ない「なつやすみを歌うバンド」として知られる『CittY』のリーダーでソングライターでベーシストの岸田小石。成瀬やneloらとバンド「On The Beach」のメンバーとしても活躍している岸田のファンク歌謡は一度聴くとクセになることうけあいだ。「コイッシーは作詞家として素晴らしいんだよ」と成瀬は言う。『「愛・Don’t Know Why」なんてタイトルのセンスからもその才能がうかがえるだろう? ステージマンとしてのカリスマもあわせ持つ貴重なソングライターなんだよね」


04 愛をLet’sGo
Litsuko

『BINGO!』の看板ウーマンであり、元「少年ナイフ」の実績を持つ現役ロック系シンガーソングライター「りっちゃん」ことLitsukoは、成瀬が『BINGO!』を立ち上げる以前の前身チームからのオリジナルメンバーである。「コンペに出したいと応募してきた時はまだ少年ナイフに在籍をしていた時期だからそりゃ驚いたけど、話してみると心構えがしっかりしていたので、ぜひ一緒にやろうって思ったんだ」と成瀬は言う。この「愛をLet’sGo」はクオリティの高いLitsukoのキャッチーなパンクが楽しめる一曲だ。


05 ずっとずっとずっと
白井大輔

関西シンガーソングライターシーンの頼れるアニキ的存在である白井大輔。成瀬とは20年来の音楽仲間である。「大ちゃんとは2000年くらいからよくライブハウスで一緒になったよ。当時からとても才能のあるシンガーソングライターだなって思ってたから、「ワライナキ」のメンバーとしてブレイクしたときも驚くことはなかったよ」と成瀬は言う。白井大輔もLitsukoらと同じく前身チームからのオリジナルメンバー。作曲家としては非常に守備範囲が広く、新しいジャンルに挑戦することも積極的なタイプだ。


06 未来は手の中
MTR Music Inc

前述のLitsukoと「ミキパンダ」という名のシンガーソングライター、そしてFOUR TRIPSの初田努によるユニットが「MTR Music Inc」だ。「ミキちゃんとりっちゃんは作風的にとても相性が良くて、よく共作しているね。この曲は初田のミックスが合うんじゃないかと、ユニットでの制作を僕が提案したんだ、うまくいったよね」と成瀬は言う。「すごくいい曲だと思うよ!」


07 One More Time
後藤小百合

後藤小百合はジャズピアニスト。「成瀬英樹ゼミ」の卒業生だ。今もNYに住んで活動を続けている。後藤がJ-POPの作曲に興味を持ったのは成瀬のYouTubeを観たのがきっかけだ。「さゆりんは本当にすごいピアニストで、セロニアス・モンクの孫弟子なんだよ。それなのに日本のポップスに興味を持ってくれて僕のドアを叩いてくれた。とても嬉しかったよ」と成瀬。最初はMacを買うところから始めたそうだ(「僕がさゆりんに最初に教えたのは右クリックのやり方だ」)が、ここのところはキープの常連。「さゆりんには、素朴でおしゃれなジャズ風味の日本のうたを作ってほしいって願ってるんだ。この調子で、どんどん自己ベストを更新してほしいね」


08 空の色
ミキパンダ

「MTR Music Inc」の項でも登場した「ミキパンダ」は北海道出身のアマチュアシンガーソングライターだったが『うたを作る学校』の前身サロン時代のメンバーとして成瀬と共作をしていた。そんな中、毎朝行われる成瀬の作曲生配信を観て作曲の手法を覚え、「成瀬英樹ゼミ」を卒業し現在に至る。「ミキちゃんの仮歌に僕たちBINGOメンバーは助けられているんだ。仕事が早いし丁寧だからね!」と成瀬が言うように、仮歌シンガーとしてもBINGO!には欠かせない存在。この『BINGO! AID』でもミキパンダの声を、いくつもの楽曲で聴くことが出来る。


09 Future Trek
sprout

『うたを作る学校』メンバーの「sprout」作詞のパワーポップ。彼女が書く歌詞を成瀬は非常に買っている。「sproutさんはね、数を書くことが出来るし、自身の作品に対する批評を喜んで受け入れてくれる方だから、僕としても一緒に作曲し甲斐があるんだ。風輪に提供した『胸いっぱいの愛を』はsproutさんの歌詞に曲をつけたんだけど、かなりハードな修正にもバンバンこたえてくれたんだよ」と成瀬。この『Future Trek』は「朝の作曲生配信」の中で作られた「詞先」の楽曲だが、それを感じさせることのない、メロディアスでスケールの大きい、成瀬らしい曲に仕上がっている。「なんちゃってトッド・ラングレンさ」と成瀬は笑うが、彼曰くお気に入りの楽曲だそうだ。


10 Sunshine Road
しのゆり

「しのゆりさんも最初の頃からのメンバーだよ、一緒に曲を書くって実験をとても楽しんでくれているんだ」と成瀬。この『Sunshine Road』は「しのゆり作詞作曲」である。「ほとんど鼻歌のみのスケッチを聴かせてもらったんだけど、その時点で楽曲は完成されていたから、すぐに頭の中でアレンジをイメージすることが出来たよ」とのことだ。骨太なアメリカンロックはしのゆりも成瀬も大好物である。「ファンだから、一般の方だから、なんて区別は必要ないよ。音楽が大好きなら、そしてものを作ることを楽しめるなら、作曲ってのはとても身近なものだと思うんだ」と成瀬は語る。


11 これが僕の音楽
キソエムジーク&かねまん

「キソエムジーク」のアイデアでビートルズの『With A Little Help From My Friend』への正当なオマージュを捧げることに。リンゴ・スター役には「かねまん」を配役。二人とも成瀬の前身サロンからのメンバーであり、成瀬の音楽活動を応援してくれるファンでもある。「ある日、キソエムが曲を聴かせてくれたんだ」と成瀬。「最初の段階から曲はかなり完成していた。かねまんが歌っていることに驚かされたけど、その驚きの予見も歌詞に含まれていて面白いなって思ったよ。僕はベースやギターを弾いたりコーラスを入れたり。中学の頃、仲間と宅録をやっていたような楽しさがこの曲の制作にはあったね。あと僕はちょっとだけ、ラップを入れさせてもらった」


12 ヲルガン座にて
makiko, にこいち

「makikoさんの歌詞には、いつも深みを感じるんだ」と成瀬は言う。「彼女も数を書ける人で、きっと本人さえその気になれば、プロの作詞家としてもやれるくらいの実力を持っている方だよ」とも。昨年九月に行われた「伊藤銀次、成瀬英樹&にこいち」の山陽ツアーの広島会場「ヲルガン座」のテーマソングを作ろうとのお題で、makikoが書いた歌詞に、成瀬と「にこいち」が曲を書き歌ったものだ。「広島のお客さんや、ヲルガン座のみなさんがこの歌を作ったことをとても喜んでくれた、それだけで作った甲斐があったよ」と成瀬は言う。楽屋でこの曲の歌詞カードを見た伊藤銀次が「ライブハウスのタイトルで曲を作ったんだ? なかなかやるね!」とニヤリと笑ってくれたのが成瀬はとても嬉しかったんだとか。


13 WHY?
神咲巡

神咲巡は現役の「成瀬英樹ゼミ」生である。成瀬と同年代の彼は、ライフステージの変化に伴い自身の時間がより多く持てるようになり、趣味だった「作曲」を本格的に始めたとのこと。「神咲さんはムードメイカーで、BINGO!の全体ミーティングでも積極的に発言をしてくれるのでいつも助かってるんだ。コンスタントに佳曲を書ける力を持ってるし、キープもいくつかいただけて自信もついて来られたので、これからが楽しみな方だよ」と成瀬。ミキパンダの大人ヴォイスに実にフィットした、ナイスメロディに耳を傾けてほしい。


14 暗闇よ
BLUEGlass

21歳の現役大学生「BLUEGlass」も現役で「成瀬英樹ゼミ」を受講している。世代的に乃木坂46などの「坂道系アイドル」の楽曲で育ったこともあり、彼が一番採用に近い場所に居ると成瀬は考えている。「非常にクレバーに曲を書けるし、数を書くことに必要なメンタルも持っている。アレンジ力もあるので、あとは経験だけなんじゃないかな、どこかの段階で才能が弾けるんじゃないかって思ってるよ」と成瀬は言う。


15 黄昏フリーウェイ
上田下男

「上田下男」という人をくったペンネームを持つ彼は、『うたを作る学校』のメンバー。もう何回目かの成瀬との共作になる。成瀬はこう話す。「上田さんはいつも歌詞と共に、しっかりとしたコンセプトを僕に伝えてくれるので、作曲するのはとても楽です。この曲は『シティポップ』というお題をいただいたので、僕としても手加減することなく16ビートのカッティングギターが映えるようなメロディをつけた。言葉にメロディがすでに含まれているというのかな、字面を見ただけでメロディがすらすら出てきたよ。僕もとても気に入っている作品だよ」


16 二人のステイ•チューン
17 夢じゃなかったよ
にこいち

作曲担当の松田央と、作詞担当の井指冬樹によるユニット「にこいち」は神戸では知られたデュオである。メジャーリリース(映画の主題歌タイアップ付き)を二度も経験するなど、その実力は折り紙つきだ。松田は『BINGO!』のオリジナルメンバーにして、キープの超常連。本採用が今待たれる新進作曲家である。「松ちゃんの楽曲はいつもハズレがないんだ。それはコンペと言えども歌詞をしっかり井指に書いてもらっているという、丁寧なソングライティングに起因するものだと思う。もちろんメロディが素晴らしいのは当然のことだよ」と成瀬。「松ちゃんあっての『BINGO!』だからね」とも付け加えた。この二曲、返却になったのが何かの手違いではないかと思うほどの名曲だ。


18 #恋する御船町
田上成美

最後に成瀬英樹、渾身の新曲をお届け。キーボードはai、リズム&ミックスダウンは初田努のFOUR TRIPS勢に、ベースは名ベーシスト金森佳朗。本気の成瀬オールスター。素晴らしい歌詞を書いて歌ってくれたのは「田上成美(たのうえ なるみ)」さん。熊本県御船町在住のシンガーで、東京で音楽関係の仕事もされていたこともあるそうだが、今は大好きな地元のために歌を歌っている。「御船町のテーマソングを作ってください」とDMが来た時、成瀬は驚いたが、とても光栄なことだと快諾した。「御船町には仲の良い姪一家が暮らしていてね。僕も小さい頃とか『ミフネのおじさん』のところによく遊びに行ったものだよ。だから、あの町の風景っていうか匂いをよく覚えているんだ。田上さんの歌詞を見てすぐに曲を思いついたよ。ずっと歌い続けてほしいと思うな。この曲を『BINGO! AID』に収録することを快諾してくれた田上さんに心からの感謝をしたい」と成瀬は語った。


さあ、18曲の旅はいかがだっただろうか。「これなら、私でも出来るかも!やってみたい!って思ってもらえるのが一番嬉しいよ。僕がビートルズを観てそう思ったようにね。楽しそう、やってみたい!ああなりたい!ってね」と成瀬は笑った。

55歳になった成瀬は、もうあの頃のように大酒を飲んだり悪態をついたりはしないが、今もまだ「挑戦者」でいることを楽しんでいるように見えた。それが何よりも、私は嬉しく思う。

もし、あなたも曲を作ってみたいと思ってしまったのなら、成瀬に連絡してみるといい。きっとすぐにメールが返ってくるはずだ。約束する。

https://bingomusic.jp/

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